44年振り 5 ― 2017/02/13 14:00
PCの続き プレキャストコンクリートでも私の居た会社の製品は多分全てが鉄筋にスティール、つまり鋼鉄を使用している。ハガネである。 弾力性が求められるからである。 橋桁で考えると分かり易いと思う。 橋桁は両端より中心部が持ち上がっている、昔の木製の橋も持ち上がっているが。 湾曲している事で、上から重力が掛かっても耐えうる強度を得る。 車で橋の途中で止まって居ると、対向車線の車の振動で橋が揺れるのが実感できる。 鉄製でも同じ事が言えるのであろうが。 コンクリートはそれ自体に弾力性は乏しい。そこで、コンクリート製品の中に鋼を封じ込めて固める訳である。 但し、簡単にはコンクリートの中の鋼がバネにはならない。動いたら意味がないからである。 鋼を橋桁や枕木の両端で固定して、動かないようにしなければならない。 しかも、鋼を高張力で引っ張ってから固めなければ、張力と弾力は生まれない。 両端の固定には各種特許が存在し、当時、国内の特許は少なく、欧米の特許を使っていた。 くさび形の固定金具を両端に埋め込み鋼を固定する。 高い圧力で引っ張る。数十トンになることがある。 無論、専用の圧力機を使う。 事故が発生し、橋桁の長さの鋼の鉄筋が外れて、100Mも飛んだ事があると聞いた。 人が巻き込まれれば惨劇になる。 それだけの張力に耐える固定金具であるから、特殊な技術が必要になる訳である。 更に、コンクリートは乾くから固まるのではなく、化学変化で固まるのであるが、自然乾燥を待つのでは製造時間が間に合わないし、均一な品質が得られない。 当時聞いたのは「蒸気養生」である。 密封された場所で、高温の蒸気を噴射させて、固めていく。 鋼の単価は高く、45年前に、一回の鋼の購入金額は億の単位であった。 鉄鋼の商社から購入する。 to be continued
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